羅甸なんじゃこれ〜貴州再訪2

私が以前もっぱら滞在していたのは
貴陽市ともう一か所、そこからバスで5時間ほど南下した
羅甸県という片田舎です。
「県」は日本でいうところの市町村に近く、
羅甸県もそこそこの面積があります。
貴陽市よりぐっと標高が低く温暖。
今回はそこにも一泊二日で行ってまいりました。

前回写真をお見せした金陽のバスターミナルで
羅甸行きのチケットを買い、
いざや羅甸へ。

……まあ、まてどくらせど貴陽から出ていかないんですが(笑)
昔からこちらの長距離バスは、定時にバスターミナルを出ても
乗客がいっぱいになるまでのらりくらりと低速運転をして
道々客を拾っていました。
そのへんは昔と変わらず、今回も乗客が最初バスの3分の1しかいなかったので
それはそれはのらりくらりとのろのろのろのろ…。
私の泊まっていた花渓までずーっとのろのろ…。
だったら金陽まで行かなくてよかったよ(笑)
街は変わっても人間のやることはあんまり変わっていませんでした。


それでも貴陽市を出るとなかなか軽快に飛ばします。
無事5時間で羅甸県の中心地、龍坪鎮に到着。
うんうん、あんまり変わってないぞ…と思っていると、
やっぱり羅甸にも変化が。

タクシーがいる!!!!!!!!!

当たり前じゃないかって?
いやいやいやいや、だって羅甸って、信号機一つもないんですよ。
(今回もなかった)
それなのにタクシーなんて。
昔はそんなハイソで高級なやついませんでしたよ。
いるのはもっと簡単な、トゥクトゥクみたいなやつだけでしたよ。

(以前はこの写真の真ん中に写ってるやつしかなかった)

市場に行けば現役で馬が頑張ってたんですよ。

今回タクシーはなんとなく日本人だとばれたらとか
そもそもタクシーは高いからとかいう理由でいやだったので
歩いて今回の目的地、Yさんのお宅へ。
電話がつながらなかったので電撃訪問。
(中国の人はよく携帯の電話番号を変えるので
 2年ぶりに行くとたいていの人と連絡がつかない)
Yさんは2年前、2週間にわたって私とほぼマンツーマンで
歌の掛け合いの書き起こしを手伝ってもらった研究の恩人です。
ぜひとも研究成果たる博士論文をお渡ししなくては!
というわけで、気持ちは急きつつ、でも家までの道には確信を持てず
てくてくてくてく、重い荷物を背負って歩くこと15分。

行ってみるとなんと!
なんかお祝いしてる!?

なんと、2年前に彼女と結婚間近と言われていたYさんの長男さんが
翌日結婚式を開くのでその前祝い中!!!
えええええ!!
それはめでたいけど微妙!
せっかく来たけどもうなんか私に構ってる場合じゃない感じ。
あわよくばデータ修正に付き合ってもらおうと思っていたのですが
ぜんぜんそんなの無理な感じでした。
とりあえず、ばたばたと製本した博士論文を手渡しし、
無事に本棚に収めていただき、
まあたぶん今日中関係が敏感だからとかいう配慮があるのか
家の2階にしつらえられたおじいちゃん席に案内されました。

(お祝いに来たおじいちゃん方。みなさん80歳以上のご長寿です
そしてよく見ると壁には新婚写真が飾られています)


そこで何はともあれご相伴にあずかりました。
おじいちゃん方はたいへん達観しておられるので
博士論文をお見せすると「不簡単!」とほめていただけました。
ありがたき幸せ。

ペットボトルに入った懐かしの「土酒」(地元で作った蒸留酒)を
いただいていい気分になったところでホテルへ。
今回は1泊だけなので、
県で唯一外国人宿泊が公認されているリッチな宿。
一泊100元!自分としては高い!羅甸最高贅沢!
(昔ここで一泊20元の宿に泊まってたので)


…で、翌朝。
私の好物一人鍋料理「砂鍋粉」をいただいて

2年半ぶりの街をぶらぶら。
いやあ、いろいろ変わってましたが
なによりびっくりしたのがこれ。

「徳力士」(デリス!)

ちなみに、花渓には「徳克士」(ディコス)という
なんかシンガポールかどっかの資本らしい怪しいバーガー屋があり
おそらくそのパクリ。
だいたいメニューに「重慶なんたら」とか入ってるのがおかしい(笑)

入口の人形もなかなか楽しい。
中国現代芸術劣化版みたいな。
しかもなぜかやたらとハエがたかってるし。

バーガーは…うーん…パンがぺちゃんこでチキンが油っこかった
(あかんやん)

あともう一つ、リアル「荒ぶる喜羊羊」を発見したことも大きな収穫。

荒ぶる喜羊羊についてはこちらのリンク参照。
http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/cc85030981593d86752d0104798787b5

これに比べるとまだぜんぜんおとなしいと言えよう。
羅甸もまだまだ発展途上である。

そんな感じで羅甸の発展を見物し、
車は確かに少し増えたのにまだ街には信号が一つもないことを確認し、
なにより前日の土酒で二日酔いだったので
結局Yさんの息子さん結婚式にはお邪魔せず
(実は「来たらお祝い出さなきゃいけないけどお返しできないから」
 という理由でやんわり止められていた)
帰りのバスへ。