ラオ語こうざ

なんとなくブログが食べ物と旅行とバンコクでだいたい回っていますが
私がここにいる目的はうまい料理を食べるためでも観光するためでも
バンコクでびっくり仰天するためでもありません。

ラオス語をお勉強するためですっ(キリッ

ちゃんと6月以降週3日、ラオス国立大学にお邪魔して
ラオス語の授業を受けております。
あ、今日のタイトルは「ラオ語」になっていますが
ラオスの国語は仮名で書くとたぶん一番正確には「ラーオ語」です。
ラオ語では「ぱーさーらーお」といいます。
「ぱーさー」が「言語」という意味だから「らーお」が言語名ですね。
でも日本だと「ラオス語」の方が主流っぽいですね。
東京外大も「ラオス語専攻」ですし。
まあ、どっちでもいいやー。
「ぼーみーばんはー!」(問題ない!)
「ぼーぺんにゃーん!」(べつにええよー!)

というわけで、以前人称について簡単に書きましたが
それ以降習ったことの中でちょっとおもしろかったことをメモ書き。
どうもこのブログはUnicode対応ではないらしく
ラオ文字を書けないのが残念なところ。
ラオ語の発音は基本かわいいので、ひらがなにしときます。


1.お坊さん専用の言葉がある
お坊さんのやること、お坊さんに対してつかう専用の言葉が
あるんだそうです。
たとえば「食べる」は普通は「きん」というのですが
お坊さんが食べるときには「さん」と言うんだとか。
普段使い道がないのでまだ1例しか習っていませんが
きっと、ラオスの宗教とか研究してる人はたくさん知ってるんだろうなあ。

ラオスではお坊さんがとても敬われていますし
戒律も厳しいです。
トゥクトゥクやバスなどで同席するときは
女性の隣に座ってはいけません。
ラオス上座部仏教なので出家するのは基本的に男性。
若いうちに出家して徳を積み、たいていは数年で還俗するんだとか。
あと、お寺から学費が出るので、進学のために出家する人もいるそうです。
確かに、大学に行くとよくお坊さん青年を見かけます。
街中でもよく見かけますし、お坊さんは身近で尊い存在。
そんなところがきっと「お坊さん言葉」の背景にあるんでしょうね。


2.敬語というかフォーマル体(文語)が発達している
ラオ語文字はインド系文字で、じつはサンスクリットあたりと
つながりがあるんだとか。
実際、ちょっとハイソな単語とかだとサンスクリット由来です。
(辞書にそう書いてあります)
今私が習ったり、普段使ったりしているのは口語体ですが
演説やちゃんとした文章をしたためるときは
きちんとした文体で書かなくてはいけません。
ちゃんとそのための単語も豊富にある、らしいです。
これも初級ではぜんぜん習わないので、今のところ知っているのは
「食べる」で、「きん」ではなく「はっぱたーん」と言う、
ということくらい。
(…なんで知ってる事例が「食べる」ばっかりなんだろう…)
あと、確かにテレビで演説を聞くと
ラオス国営放送では毎日誰かが演説してます)
街中ではまず聞かない1人称フォーマル体の「かっぱちゃう」が
頻繁に聞けます。
こういうのを使いこなせないと
「小学生の作文になっちゃう」とのこと。


3.動物の分類
モノの分類、というのは、
「その言葉をしゃべっている人たちが
 身の回りにあるものをどういう風に見ているか」
の目印になるということで昔から言語学者や人類学者垂涎のテーマです。
人称代名詞とかもその一つですね。
あともう一つは英語でclassifier、
日本語だと類別詞とか呼ばれるものです。
日本語だと「お箸は『一膳』、箱は『一箱』、うさぎは…『一羽』?」
みたいなやつですね。
ラオ語もかなりたくさんあります。

ややこしいので類別詞は別にして、
先週ならった「呼びかけとか指し示す時に使うことば」を例に。

ラオ語では、人間に対する呼びかけは日本語とだいたい一緒です。
親族を指すのと同じ言葉を使います。
「おとーさん!」と芸能人が街角のおっちゃんに呼びかける、あれですね。
ちなみにラオ語で「おねーちゃん!」は「うあい!」です。
「おじょーちゃん!」は「のーん!」です。

で、面白かったのが動物。
オスメスで違う(これは人間と同じ)のですが、
分かれ目が変です(笑)

(1)象…オスは「ぱーい」、メスは「ぱん」。
(2)四足のでかい動物(牛からデブ猫まで)
    …オスは「とぅく」、メスは「めー」。
    (「めー」は「お母さん」と同じ単語)
(3)その他…オスは「ぷー」(「人」と同じ単語)、メスは「めー」。

…ラ、ラオスでは象がずいぶん偉いんですね…。
あと、なんで微妙に人が混じってるんですか…。
うーん謎だ。


そんなわけで、今日も楽しいラオ語授業。
いつになったら調査許可にたどり着くのやら心配しつつも
張り切って行ってきます!